Keyboard Quantizer MiniによるThinkpad Trackpoint Keyboard IIのカスタマイズ

職場PCや自宅PCではキーボードにThinkpad Trackpoint Keyboard II(以下、TPKB2)を使っています。3年ほど利用する中で、いくつか工夫点がありましたので備忘録として残しておきます。

はじめに

TPKB2のUS配列をWindows10/11環境で利用する前提でKeyboard Quantizer Mini(以下、KQM)にてカスタマイズします。 Keyboard Quantizer MiniでUS配列キーボードをJIS配列キーボードと共存すると重複する部分もありますがご容赦ください。

KQMで実現したい動作

  1. 各PCの内蔵キーボードも外付けキーボード(TPKB2)も刻印通りに入力できること
    • 職場PC:日本語キーボード(106/109キー)設定
    • 自宅PC:英語キーボード(101/102キー)設定
  2. CapsLockをCtrlにできること
  3. 左右のAltキーでIMEのOFF/ONを切り替えられること
  4. Appキーを利用できること
  5. カーソルキーでHome、End、PgUp、PgDnキーとしても利用できること
  6. Macと同じような文字列操作のショートカットキーが利用できること
  7. Excel/PowerPointなどのアプリのショートカットキーが簡単に入力できること

レイヤー別設定

設定を表記する際に、以下の用語を使います。

用語 意味
Tap キーを押して離す操作
TapDance Tapによって操作を切り替える機能
・Tap:単押し
・Hold:長押し
・DoubleTap:2連打
・Tap and Hold:単押し後長押し

また、設定変更にはVialを使用しました。画像はデスクトップアプリ版のものです。

■レイヤー0

  • デフォルトのレイヤー
変更前のキー 変更後のキー 備考
Capslock 左Ctrl
左Alt Hold:左Alt
Tap:無変換
右Alt Hold:右Alt
Tap:変換
Space Hold:TO(7)
Tap:Space
Hold:レイヤー7へ移動
PrtSc App
Mouse3 TD(2) TapDance2を実行
TD(2)設定
Tap Mouse3 マウス中ボタン
Hold 無効 スクロール時の誤爆防止
DoubleTap M6 タスクバー左端のアプリ起動
Tap and Hold 無効

レイヤー0(キーボード)設定
レイヤー0(マウス)設定
TD(2)設定
M6設定

■レイヤー1

  • Capllockキーを、Macの日本語変換とEmacsライクな文字列操作用のトリガー用に設定するレイヤー
変更前のキー 変更後のキー 備考
Capslock TD(1) TapDance1を実行
TD(1)設定 キー 備考
Tap MO(6) 押下時のみレイヤー6
Hold MO(6) 押下時のみレイヤー6
DoubleTap TO(0) レイヤー0へ移動
Tap and Hold MO(6) 押下時のみレイヤー6

レイヤー1設定
TD(1)設定

■レイヤー2

  • レイヤー0の左右Altの無変換・変換を無効化したレイヤー
    • 自宅PCなど英語キーボード(101/102キー)設定では無変換・変換を利用できないため
    • このレイヤーを使う際はalt-ime-ahkを併用する
変更前のキー 変更後のキー 備考
Capslock 左Ctrl
左Alt 左Alt 無変換を無効化
右Alt 右Alt 変換を無効化

レイヤー2設定

■レイヤー6

  • Macの日本語変換とEmacsライクな文字列操作を再現するレイヤー
変更前のキー 変更後のキー 備考
A Home
E End
F
B
P
N
O Enter
H BackSpace
D Delete
J F6
K F7
L F9
: F8
'' F10

レイヤー6設定

■レイヤー7

  • スペースキーとの組み合わせでショートカットを実行するレイヤー
変更前のキー 変更後のキー 備考
Home ENABLE_US_KEY_ON_JP_OS_OVERRIDE US配列をJIS環境で有効化
End ENABLE_JP_KEY_ON_US_OS_OVERRIDE JIS配列をUS環境で有効化
delete DISABLE_KEY_OS_OVERRIDE 配列変更を無効化
PrtSc PrtSc PrtScを有効化
PageUp
PageDown
Home
End
Esc TO(0) レイヤー0(標準)へ移動
F1 TO(1) レイヤー1(Mac文字変換)へ移動
F2 TO(2) レイヤー2(変換・無変換無効)へ移動
1 M1 Macro1(Markdown見出し1)を実行
2 M2 Macro2(Markdown見出し2)を実行
3 M3 Macro3(Markdown見出し3)を実行
4 M4 Macro4(Markdown見出し4)を実行
5 M5 Macro5(Markdown見出し5)を実行
- TD(0) TapDance0を実行
P M9 Macro9(Powerpointでの整列)を実行
E M10 Macro10(Excelでの整列)を実行
S M8 Macro8(スクリーンショットpng保存)を実行
TD(0)設定 キー 備考
Tap M0 Macro0(Markdownチェックボックス)を実行
Hold M0 Macro0(Markdownチェックボックス)を実行
DoubleTap M7 Macro0(Markdown箇条書き)を実行
Tap and Hold M0 Macro0(Markdownチェックボックス)を実行
マクロ 動作 目的
Macro0 - [ ] Markdownチェックボックス
Macro1 # Markdown見出し1
Macro2 ## Markdown見出し2
Macro3 ### Markdown見出し3
Macro4 #### Markdown見出し4
Macro5 ##### Markdown見出し5
Macro7 - Markdown箇条書き
Macro8 Win Alt PrtSc アクティブウィンドウのスクリーンショット保存
Macro9 Alt H G A PowerPointでの図形整列
Macro10 Alt P A A Excelでの図形整列

レイヤー7設定
TD(0)設定

M0設定
M1設定
M2設定
M3設定
M4設定
M5設定
M7設定
M8設定
M9設定
M10設定

おわりに

設定を書き出してみると、思いのほか設定していると感じました。しかし、未使用の機能もまだあるようなので、今後も少しずつ試してみようと思います。