円錐に想いを馳せる

子どもの頃に好きだったお菓子の形を、ふと思い出すことがある。 角がなく、丸くもない——小さな円錐。

円錐形の食べ物といえば、ソフトクリームのコーンやカヌレ、アポロチョコ。 だが私にとって特別なのは、シゲキックスだ。

あの円錐形のシゲキックスといえば、舌を刺すようなレモン味の酸っぱさと、なかなか噛み切れないほどの硬さ。 長く舐めるうちに、刺激の奥から甘みが顔を出す。 一粒を食べ終えるころには、あの鋭い酸味が嘘のように消え、やさしい甘さだけが残る。 気づけばもう一粒。あの刺激の虜になっていた。

いつしか、食べることがなくなっていた。 久しぶりに店頭で見かけたシゲキックスを手に取ると——形が違う。 円錐ではなく、ただの円形。 口に入れてみても、あの“舌の記憶”が蘇らない。酸味も控えめで、心の奥に空白ができたようだった。

そんなある日、100円ショップで思わぬ再会を果たした。 昔ながらの円錐形シゲキックス、それもレモン味と梅味。 迷わずレモン味を手に取り、開封して一粒を口に放る。 ——あの刺激だ。酸味が広がり、あの日の放課後が蘇る。 思わず笑ってしまった。

調べてみると、これは100円ショップ限定の復刻版らしい。 時代を経ても、私にとっての“本物”はこの円錐形だ。

今では数えきれないほどのグミが並ぶ。 それでも私は、この小さな円錐に心を惹かれる。 尖っていて、頑固で、少し懐かしい。 円錐形のシゲキックスは、私にとって青春そのもの—— 過去と現在をつなぐ、小さな記憶の形だ。